カオス座談会 #20:「転職って、“今の自分”を過大評価してない?」

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🍙 登場キャラ紹介

  • 🍙 モチ(ごはん)…アイデアを転がす自由人。思いついたことをすぐ口にしがち。たぶん一番楽しんでる。
  • 🐟 シャケ(芯)…話の本質をつかみにくる論理派。ときどき鋭すぎるけど、話を引き締める存在。
  • 🌀 ノリ(外装)…全体構造を整えたり、抽象化したり。静かだけど、言ってることは深い。ときどき解説役。
  • 💫 ミル(空気担当)…直感と感性で空気を変えるスパイス枠。

【1】転職、イメージで語りすぎ問題

🍙モチ:
転職ってさ、「もっと自分に合う場所があるはず!」って出ていく人多いけど、
なんかこう、自分を“理想バージョン”で見積もってない?

🐟シャケ:
それ、あるあるだね。
履歴書っていう名の“自己紹介プレゼン資料”で、過去の失敗全部消してるもん。

💫ミル:
しかも、「前職ではリーダーシップを発揮し〜」とか書いてあるけど、
実際は「飲み会で乾杯の音頭をとった」だけとか、あるあるすぎる〜!

🌀ノリ:
※履歴書・職務経歴書における“スキル表現”は、自己効力感と市場価値の相互誤認を生みやすく、過大評価に繋がる傾向があります。

🍙モチ:
でも正直、自分の「ポテンシャル」って何かわからんのよ。
“あるっぽい空気”だけまとって、次の職場にワープする感じ。

🐟シャケ:
その結果、入社初日に「想像より使い方むずい新人」が完成するんだよな。

💫ミル:
わたしなんて、面接で「どんな質問にも対応できます!」って言った3日後に、
エクセルの列が行方不明になって泣いたもん…。


【2】「キャリアの棚卸し」って都合いい棚じゃない?

🐟シャケ:
よく「まずはキャリアの棚卸しを」って言われるけど、
あれ、実は“都合のいい棚しか使ってない”って説あるよね。

🍙モチ:
わかる。苦手だった業務の記憶は即アーカイブ送り。
「できてたかも」って思う業務だけ引っ張り出してくる。

💫ミル:
あたしの棚、奥行きだけめっちゃあって、手前に置いた“やった風プロジェクト”がキラキラしてる〜。

🌀ノリ:
※人間の記憶は“自己肯定的再解釈”を含みやすく、過去の経験を「成長物語」に編み直す傾向があります。

🍙モチ:
しかも「苦しかった経験を成長に変えた」とか書くけど、
実際は“うまく忘れただけ”だったりするしね。

🐟シャケ:
職歴って、記録というより“物語”なんだな。
盛った分だけ、面白くなる。でもジャンルはノンフィクション風っていう。

💫ミル:
じゃあもう、転職サイトの自己紹介欄に「ジャンル:実話をもとにした創作」って書いた方が正直かも〜!


【3】転職サイトで別人になってない?

🍙モチ:
自分、転職サイトのプロフィール書いてるとき、「え、これ誰?」って思うときあるんよ。
文体がスーツ着てる。

💫ミル:
あたしも、めちゃくちゃ“きちんと系ワード”使っちゃう。
「ご縁があれば幸いです」とか、普段絶対言わない〜!

🐟シャケ:
「誠実」「積極性」「柔軟性」って、
まるで履歴書界の“3種の神器”みたいにどこにでも現れるよね。

🌀ノリ:
※応募者は自己の印象管理のために、言語スタイルを無意識に“対社会モード”へと切り替える傾向があり、結果的に「自己像の別人化」が進行します。

🍙モチ:
しかも、だんだん“そのキャラ”で面接に挑むことになるから、
もう自分ってより“派遣されし人格”みたいになってる。

🐟シャケ:
それで採用されたあとに、“その人格”の維持コストで疲弊するんだよな…。
転職って、持続可能な変身じゃないとキツい。

💫ミル:
でも「変身後の自分」にちょっと憧れるときもあるよね〜。
“理想のわたし”を1回くらい、演じてみたくなるっていうか。


【4】過大評価が悪いわけじゃないけど…

🍙モチ:
こうやって話してると、転職って“自分で自分を面白くプロデュースする場”なんだなって思うけど……

💫ミル:
でもそのまま「理想の自分」だけで入社すると、現場で“キャラの崩壊”が起きるんだよね〜!

🐟シャケ:
理想像って、履歴書の中にしか生きられない生命体なんだな。
現実に出すと、だいたい過労死する。

🌀ノリ:
※過大評価された自己像は、環境適応の圧力によって早期に破綻しやすく、持続可能性の観点からは「自己理解との乖離」がリスクとなります。

🍙モチ:
ほんとはさ、「たぶん自分これぐらい」っていう“謙虚な見積もり”でいく方が、長期的には楽なのかもね。

💫ミル:
でもちょっと背伸びしたくらいが、“物語”としては面白くなる気もする〜!
だから転職って、冒険なんだよきっと。

🐟シャケ:
その冒険、たまに“落とし穴”から始まるのがデフォだけどな。


🌀まとめ(ノリの構造的ひとこと)

転職は、自分の価値を見つめ直す機会であり、
同時に“自己演出”の場でもあります。
過大評価が悪いわけではなく、それが「新しい挑戦」になることもある。
ただし——

“盛った自分”に振り回されないように。
現場に届くのは、履歴書より“中身の生活感”です。

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