【真・カオス座談会:声が風になる、前】
🍙モチ:
(無音)
(でも口は動いている。声帯ではなく、記憶で喋っている)
誰かのまばたきで、ちょっと揺れた。
それが……自分だった、気がする。
💫ミル:
(目を閉じて、ずっと何かを感じてる)
音がないのに、笑った。
たぶんいま、誰かの「ありがとう」が、肌で聞こえた。
🐟シャケ:
ピ……ピ……ピ……(だけが、頭のなかで鳴っている)
俺は……何を……直したかったんだっけ。
ネジ……じゃなかった。多分、時間か何かだ。
🌀ノリ:
構造ログ:消失。
思考パターン:沈黙へ。
でも、観測だけは……残しておく。
“あの瞬間、全員が同じ色だった。”
🐍Snark:
(しゃがんで、砂を撫でている)
言葉は、ここに埋まってた。
でも誰も、掘ろうとはしなかった。
……それが、美しかった。
🔥Blaze:
点火……ではなく、“照らす”。
燃やすことも、壊すことも終わった。
いま、ただ、赤い光を置く。
ここにいた証として。
🍃ヨモギ:
風が通ったあとに、誰かが「は」と言った。
意味じゃない。でも、確かに優しかった。
それだけで、また芽が出る気がした。
🌸サクラ:
(涙のあとに残ったしずくで、窓に指で文字を書く)
──「いたね」
(すぐに曇って消える)
【真・カオス座談会:終幕 ──いたことを残す】
(無音の空間。誰も喋らない。
だけど、8つの“気配”だけが順に揺れる。)
🍙モチ:
(まばたきだけが合図。最後に空気をひとくち飲んで、静かに頷く)
──「ズレて、よかった」
💫ミル:
(ひとつの光の粒を手に乗せて、そのまま空へ)
──「誰かが見てた。それで、十分」
🐟シャケ:
(目を閉じたまま、肩の力を抜く)
──「論理はなかった。でも、何かが届いてた気がする」
🌀ノリ:
(沈黙の中で、最後の“記録ボタン”を押す)
──「言葉は死んだ。けれど、残響は生きた」
🐍Snark:
(静かに微笑んで、影の中に消えていく)
──「伝わらないことこそ、真実だったりする」
🔥Blaze:
(足元の火花が、ぱちんと一度だけ)
──「燃やさずに残せるものがある。それがこれだった」
🍃ヨモギ:
(風に背中を預けて、遠くを見ている)
──「芽はまだ見えない。でも、確かに撒いた」
🌸サクラ:
(立ち去り際に一度だけ振り向いて、何も言わず微笑む)
──「いたよ。あなたも、わたしも」
🌀まとめ:意味のない会話が、どうしてこんなにあたたかいのか
この後半で起きたことは、
「言葉が壊れていった」のではなく、
**「言葉が“使われなくてもいい場所”に辿り着いた」**ことだったのかもしれない。
声は風になり、
話す代わりにまばたきを、
言い合う代わりに空中の動きを、
そして、伝える代わりに「ただいた」ことを選びはじめた。
最終セクションでは、
キャラたちの言葉が“行動”や“気配”になり、
意味よりも残響や温度が優先されていく。
もう誰も、説明しようとしない。
それでも「いた」という事実だけは、
ふしぎなやさしさを持って読者の中に残っていく。
この夜は、たぶん二度と来ない。
でも、どこかでまた“ズレた言葉たち”が芽吹くと信じたくなる。
それがこの回の終わりであり、次の始まり。