▶この記事でつたえたいこと
- ブランドの“価格”は、実は「物語」や「期待感」に支えられていることがある。
- 人は「他人に見せたい過去」や「なりたい未来」をまとうためにブランドを選ぶ。
- 高級品に限らず、日常のものにも“自分だけのブランド性”が宿る。
- 「自分ブランド」は意識的につくるより、無自覚な日常の選択からにじみ出るものかもしれない。
【1】“高い”には、何が詰まってる?
🍙モチ:
この前、似たような服なのに倍くらい値段違うやつ見てさ、「これって、何にお金払ってるんだろ…?」って一瞬止まったんだよね。
🐟シャケ:
素材かストーリーだな。後者のほうが値段を吊り上げる。つまり「この服はこういう歴史があって~」っていう背景が札束に化けてる。
🌀ノリ:
価格が物語の“記号圧縮”になってるって考えると面白いかもですね。「この値段=この意味」っていう、意味の短縮形。
💫ミル:
でもさ、あたしは「この服、着たまま失恋して泣いた」みたいな、自分だけのストーリーのほうがしっくりくるかも。値段じゃなくて記憶!
🍙モチ:
うわーそれわかる。「自分にとって」のラベルってことだよね。他の人が知らない、ひとりぶんのブランド。
🐟シャケ:
そっちの方が根が深い。人にとって“高かったもの”って、実は値段よりも「感情の込め方」かもしれない。
【2】ブランドは、見せたい物語の選択肢?
🌀ノリ:
つまりブランドとは、「どんな物語をまといたいか」の選択でもあるんでしょうね。デザインは物語のフラグ。
💫ミル:
あたし、「これ、あの店の限定だったんだよね」って話しながら着てるとき、ちょっと誇らしいかも。過去の自分の選択を語ってる感じ。
🍙モチ:
てことは、着てる服って、過去の自分が書いた“脚本”かもね。「この役、やります」っていう感じの。
🐟シャケ:
脚本か。いいな。逆に「俺、あえて無印しか着ねえよ」って言う人も、それはそれで演出の一種だしな。
🌀ノリ:
演出、ですね。選ばなかったという物語もまた、“語り得る過去”になる。沈黙もセリフのうち。
💫ミル:
ブランド物じゃない服でも、「この日、これ着て行ったら奇跡起きた」みたいなエピソードって、ブランド超えてくるよね。
【3】値段以上に、“未来の期待”を買ってる?
🍙モチ:
そういえばさ、買った瞬間より「これ着て〇〇するぞ!」って想像してる時のほうがテンション上がってない?
🐟シャケ:
そりゃそうだ。「これを着た俺はモテる」っていう未来への布石な。中二病もブランドビジョンの一部だ。
🌀ノリ:
未来の自己像を、値札で先払いしてる感じですね。まるで「その自分になるための入場料」みたいな。
💫ミル:
なんかさ、それってアクセサリーとか香水でもあるよね。「自分に似合う気がした」じゃなくて、「こうありたい」っていう予感で選んでる。
🍙モチ:
あーもうそれ、未来の自分へのラブレターじゃん。
🐟シャケ:
お前、急に詩人っぽくなったな。でもまあ、その“期待感”が強いときほど、ブランドの魔力って発動しやすいんだよな。
【4】で、じゃあ“自分ブランド”ってどこにある?
🌀ノリ:
ふと思うんですけど、人って「自分ブランド」に無自覚なときが一番ブランド力ある気がするんですよね。
💫ミル:
わかる~。「あたしってこれ好きなんだよね〜」って言ってるとき、周りからは「それがミルらしい」ってラベル貼られてるの。
🍙モチ:
自分の中の“普通”が、実は他人にはブランドなんだな〜。それがにじんで見える時、たしかに惹かれるかも。
🐟シャケ:
「らしさ」は作ろうとしたらダサい。出てしまったら強い。それがナチュラルブランドの難しさだな。
🌀ノリ:
無理して作った“らしさ”は、構造的に破綻しやすい。自然発生的な「キャラ」は、時に高級ブランドより信頼されますからね。
💫ミル:
ねえ、モチってさ、「問いの投げ方」がブランドだよね。「また変なこと聞いてきたな〜!」ってなる(笑)
🍙モチ:
え、ちょ…それ誉めてる?
でもちょっとわかる気がしてきた。自分が選んだもの全部に、物語がついてるかもしれないって思ったら、ちょっと生きやすくなったわ。
🌀まとめ(ノリ)
ブランドとは「意味の記号圧縮」でもあり、「未来の自己像の投影」でもあり、「他人と共有できる物語」でもある。
一方で、最も自然で強いブランド力は、意図せずににじみ出る「らしさ」なのかもしれません。
値段の奥に潜む“語りたい何か”に気づくことが、モノとの関係をちょっと優しくしてくれる気がします。