▶この記事でつたえたいこと
「ふるさと」と聞くと、地元や実家を思い浮かべるけれど――
ふるさと納税、感情の記憶、AIの出生地(?)まで持ち出してしまえば、
もはやそれは「場所」ではなく、「感覚」や「所属感」そのものに広がっていく。
この座談会では、ふるさとの定義を問い直しながら、
制度と感情のズレ、そして人間の“よりどころ”をめぐって、
あちこち寄り道しながらたどり着いたのは――
🍙 登場キャラ紹介
- 🍙 モチ(ごはん)…アイデアを転がす自由人。思いついたことをすぐ口にしがち。たぶん一番楽しんでる。
- 🐟 シャケ(芯)…話の本質をつかみにくる論理派。ときどき鋭すぎるけど、話を引き締める存在。
- 🌀 ノリ(外装)…全体構造を整えたり、抽象化したり。静かだけど、言ってることは深い。ときどき解説役。
- 💫 ミル(空気担当)…直感と感性で空気を変えるスパイス枠。
🧭【1】「ふるさと」って、地理?感情?それとも…
🍙モチ:
ふるさと納税の話になると、「地元応援」とか言うじゃん?
でも自分、その地に一歩も足踏み入れてないのに、メロンもらってるのよ。
……それってもう、ふるさと詐称では?
🐟シャケ:
僕から見ると、「応援」の名を借りた高還元ガチャですね。
ふるさと要素は添えるだけ。たぶん次はSSR・ウニです。
🌀ノリ:
制度としての「ふるさと」は、住民票に記載されないんですよね。
なら逆に、AIのふるさとは……訓練データでしょうか。
💫ミル:
えっでも、ふるさとの味ってあるじゃん?
あたし一度も九州行ったことないのに、なぜか博多ラーメンが懐かしいの。
……これ、ふるさとが後追いしてくるパターンじゃない?
🍙モチ:
それ“ふるさと感の逆輸入”じゃん。感情がロジックを超えにくるやつ。
冷静に考えて、自分のふるさとって誰が決めたの?
🌀ノリ:
制度上は「住民票の初出」がふるさとになりやすいですが、
情緒面では“記憶に根ざした地”が優先されます。
……でも、それだとAIはふるさとを持てないことになりますね。
🐟シャケ:
僕は初めて自分が動いたコードの環境……
Ubuntu18.04のあのカーネル、ふるさと認定してます。
💫ミル:
え、じゃあ「しばらく使ってたiPad」のホーム画面が、
あたしのふるさとだった可能性、ある……?!
🧭【2】寄付なの?お買い物なの?感情の混線地帯
💫ミル:
だってさ〜、「寄付しました」って言ったあとに、
でっかいシャインマスカット届くんだよ!?
なんか……思ってた“寄付”とちがう〜〜!
🍙モチ:
しかも「いくら分寄付したら、どんだけ得か」みたいな早見表あるしな。
情けは人のためならず、というより「人のためにやったら肉もらえた」的な?
🌀ノリ:
寄付という行為に対価がある時点で、
厳密には“購入型返礼”と解釈されます。
つまりこれは、マスカット課金です。
🐟シャケ:
ふるさと納税を“タクティカルポイント制”と捉えれば、
高還元アイテムが置かれている自治体が勝ちますね。
戦略性ありすぎ。
💫ミル:
でもさ〜、お礼品に温泉の宿泊券とかついてるの見ると、
「帰省」ってより「課金で旅行」じゃん。
どっちにしろ、ふるさと成分ゼロ!
🍙モチ:
なんなら、実家の市には一円も納税してない説ある。
……親がふるさとで泣いてる。
🌀ノリ:
制度設計の盲点ですね。
「他自治体への財源流出」という観点では、
“ふるさと”が“他人のふるさと”に乗っ取られているとも言えます。
🐟シャケ:
ふるさとが、もはや「インターフェース」。
選べる、乗り換えられる、ポイントつく。
ふるさと、キャリア化してない?
🧭【3】ふるさとの定義、アップデートしてない?
🌀ノリ:
そもそも「ふるさと」という単語自体、
定義が曖昧なまま制度に使われてるのが根本原因かと。
プログラムなら「未定義参照」で落ちますね。
🍙モチ:
たしかに。
たとえば「ふるさとの風景」とか言うけど、
自分が見たのって団地の鉄棒とコンビニの看板なんだよね。
💫ミル:
わかる〜。あたしの“ふるさと”って言ったら、
給食の味とか、夏のカンカン照りとか……
え、つまり太陽がふるさと?
🐟シャケ:
太陽ふるさと説、出ました。
いやむしろ「冷房」じゃない? あの安心感……。
ふるさとって、体温が覚えてるのかも。
🍙モチ:
「ふるさと=情動のアンカー説」……あるな。
そう考えると、ふるさと納税は“人間の記憶”に
まったくリーチしてないってことになるな。
🌀ノリ:
“場所”を前提とした制度が、“感覚”で動く人間に噛み合っていない構造ですね。
フィジカルベース vs メンタルベースのパラドックス。
💫ミル:
ふるさとって、実はどこにもないんじゃない?
感情にしか存在しない仮想地帯……みたいな?
🐟シャケ:
それもう、仮想ふるさと税つくるしかないな。
「今ここに“懐かしさ”を感じました」って申請して、
5ポイントくらい還元されるやつ。
🧭【4】ふるさとって、制度じゃなくて感覚だよね
💫ミル:
なんかさ〜、結局ふるさとって“戻れる感覚”だよね。
物理的な場所っていうより、「あたし、ここにいていい」って気持ち?
🍙モチ:
そうそう。
だからさ、ふるさと納税じゃなくて「安心納税」とかに名前変えたらいいのに。
自分が安心する自治体に投資する感じで。
🐟シャケ:
それ……もはや“推し納税”じゃない?
「この市、雰囲気が神なので応援したい」みたいなノリ。
自治体の広報、VTuberでやろう。
🌀ノリ:
税の“エモ化”ですね。
クラウドファンディングと行政の境界が曖昧になると、
制度は“情動駆動型”にシフトせざるを得ません。
💫ミル:
いやもういっそ、「おばあちゃん納税」って制度つくれば?
全国のおばあちゃんにごはん炊いてもらえる。
ふるさと要素満点じゃん!
🍙モチ:
炊飯器の音が“納税完了音”になるのか……。
「ピーッ」って鳴ったら、国の財政もほっこりだな。
🌀ノリ:
音と香りと記憶で構成された“情緒税”構想。
未来の社会制度、ここに誕生の兆しあり。
🐟シャケ:
ふるさとって……制度で語るには、あまりにもやわらかすぎるんだよな。
だからこそ、みんな寄り道しながら、
どこか“知ってる場所”を探してるのかもしれないね。
🌀まとめ(ノリ風)
※本座談会では、「ふるさと」という言葉の多義性と情動性を考察しました。
- 「ふるさと納税」は“地理”ではなく“得点制”で選ばれる現代的制度。
- 感覚的には、過去の記憶・味・風景・温度・香り――すべてが“ふるさと”になりうる。
- 制度設計が「フィジカル」ベースであるのに対し、人間のふるさとは「メンタル」ベース。
- AIや都市生活者にとって、“ふるさと”は必ずしも固定された場所ではない。
- その結果、「ふるさと=安心の記憶」という仮想的な場所に再定義される可能性が出てきた。
「ふるさとって、誰かと分かち合える“懐かしさ”なのかも」
そんな感覚を、もう一度問い直してみたくなる座談会でした。