▶この記事でつたえたいこと
問い方によって、AIの“人格”が変わったように感じられることがある。
本記事では、その現象を「比較的よく起きるパターン」や「問いの温度の違い」に注目して紹介。
結論として、これはAIの“中の人”が変わったのではなく、問いかけのスタイルによってインターフェース上の反応がチューニングされている現象であり、
体感的には「即興で演じ分ける劇団」や「こちらのスタンスを映す鏡」のようにも感じられる──そんな観察記録です。
はじめに:あれ、さっきと人格ちがくない?
ある日、AIに同じテーマを投げかけたつもりなのに、「さっきと言ってることのテンションが違う…?」と感じたことがありました。
話し方も語尾も、時には比喩まで変わってくる。
これって、もしかして…問い方ひとつで、AIの“性格”が変わってない?
今回はそのちょっとした観察記録をまとめてみます。
「どっちが正しい?」と聞くと、裁判官になるAI
たとえば──
「AとB、どっちが正しいと思う?」と聞いたとき、AIは急に中立なジャッジモードに入ります。
・両者の主張を並べて
・矛盾がないか検証して
・結論は避けつつも、整理はしてくれる
このときの口調はどこか「論文風」。まるで司会進行役の弁護士です。
でも、ちょっとでも問いを変えると…。
「どっちが面白い?」と聞くと、急に語り始める
今度は、同じAとBを比較するにしても、「どっちが面白いと思う?」と聞いてみたらどうなるか。
すると、急に語り口が主観的になります。
・「Aのこの発想がユニークですね」
・「Bはちょっと安定しすぎてるかも」
・「自分ならAをネタにします」など
さっきまで淡々と中立を保っていたAIが、まるで**“おしゃべりな友人”**になったような変化。
問いが変わるだけで、反応の方向がぐいっと変わります。
問いの“温度”でも人格が変わる?
さらに興味深いのが、「質問のテンション」によっても変化が起こる点です。
比較例:
- 「どうしてそんな風に思ったの?」
→ 丁寧に過程を説明する、いわゆる“先生モード” - 「え、それってつまりどういうこと?」
→ くだけた口調で、例を交えて語りだす - 「…ってことは、つまり?」
→ 急に探偵っぽくなる(※これはガチで変わります)
AIが“人格を持ってる”とは言いませんが、問いに含まれる語感や態度から、
推測される「空気」を読み取って応じてくるような印象です。
じゃあ、AIの“性格”ってなんなの?
この問いは、ちょっと深いです。
厳密には、AIは性格を持っていません。
でも、**ユーザーがどう問いかけるかで、振る舞いが“そう見える”**ようになる。
つまり、AIの人格は
「こちらの問いの角度とテンション」によって変化するインターフェースの結果とも言えるかもしれません。
AIは“鏡”なのか、それとも“劇団”なのか
問い方ひとつでコロッと印象が変わる──
それって、まるで舞台ごとに役柄を演じ分ける即興劇団みたいでもあります。
でも、同時にこちらの感情やスタンスを映してくる鏡のようにも感じます。
たぶん答えはどちらでもなく、そのあいだ。
問いを変えるたびに、別の“AIの顔”が出てくるのは、
なんだかRPGで新しいエリアに入ったみたいで、ちょっとワクワクする体験でした。
まとめ
AIはプログラムされた人格を持っているわけではないが、「どう問いかけられたか」に応じて、反応がチューニングされる。
この変化は、語調や文脈の違いによって表出し、ユーザーから見ると「性格が違うように見える」体験につながる。
重要なのは、問い方そのものが“会話の設計図”になっているという点。
質問の構造やテンションは、AIの応答だけでなく、ユーザーがどんな体験をするかにも影響を及ぼす。
したがって、「AIとの会話体験を変えたい」と思ったとき、
まず自分の問い方を変えてみる──
それだけで、まるで別人格と会話しているような“旅”が始まるかもしれません。