変換ミスが文化になるとき 〜『東郷平八郎して』という指令〜

心理や思考

ある日、上司から届いたチャット。

「東郷平八郎しておいて」

──ファイルの統合を頼まれただけのはずなのに、 脳内には日本海軍の名将が、堂々たる提督姿で現れた。

一瞬の変換ミスが呼ぶ、じわじわ笑い

「統合してください」

この何気ない一文が、スマホの予測変換ひとつで “東郷平八郎してください”になる破壊力。

たったそれだけのはずなのに、なぜか真面目に読んでしまう。 「了解しました、連合艦隊、出撃準備整いました」などと、 歴史の波間に沈む返事が浮かびそうになる──。

おにぎり構造の4人で話し合ってみた

そんな場面を、例の4人に語ってもらった。


🍙 モチ(自由担当)

「変換ミス選手権2025、堂々の金メダルですね。 “統合”が“東郷平八郎”って、もはや優勝狙いでしょ。」

🐟 シャケ(意味の芯担当)

「文脈的には“ファイルをまとめて”とか “会議資料をひとつにして”の意味だと思う。 でも、命令形で来ると軍事色がすごいんだよな。」

🌊 ノリ(構造と仕組み担当)

「スマホ入力だと“とうごう”で候補トップに“東郷平八郎”が出ることがある。 これ、予測変換の構造的な罠ですね。 変換ミスが定着するのも、ある種の“文化進化”。」

🌱 ミル(感性とスパイス担当)

「なんか、突然“歴史の偉人に仕事頼まれた感”あって、逆にテンション上がる〜! “りょうかい、提督!”って返したくなるもん(笑)」


誤変換がミームになる瞬間

この一言が社内でバズれば、次の日にはこうなっているかもしれない:

「これ、東郷平八郎しといて〜」

「はい、提督」

伝言ゲームのようにミスが伝播して、やがて“定番用語”になることも。

おかしみのある言い間違いは、人と人をつなぐ笑いの潤滑油。

だからこそ、誤変換を笑って受け止めるセンスが、 案外チームをやわらかくするのかもしれない。


最後に:

誤変換には、心の余白がよく似合う。

“命令”が“ミーム”になる。 そんなやさしい職場で、働いてみたいものですね。

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