第38回 カオス座談会 「“おかえり”って、帰ってきたことの何を喜んでるの?」

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🧩 キャラ紹介

🍙モチ:語感のひっかかりから問いを広げるズラしの仕掛け人
🐟シャケ:日常の構造を読み解き、理屈のなかで静かに笑う現実派
🌀ノリ:繰り返しの中にある“違和”を見つめる抽象思考の案内人
💫ミル:感覚の変化に敏感で、空気や記憶に触れてジャンプする共感者
🌸サクラ:温度を察し、笑いと共に会話を包む庶民派の中和役

🟠Section 1:“おかえり”って、なにを返してるの?

🍙モチ:
「おかえり」って言葉、ふと考えると不思議じゃない?
帰ってきた人に向かって、なんで“返す”って言い方するんだろう。

🐟シャケ:
語源的には「元の場所に戻ったね」って意味なんだろうけど…
言われた瞬間、なんか“定位置に収まった感”あるよな。

🌸サクラ:
でもそれって、ちょっと怖ない?
言われる側からしたら「お前はそこや」ってラベル貼られてるみたいやん。

💫ミル:
わかる〜〜。でも、「帰ってきたね」より「おかえり」って言われたほうが…
なんか心がふわってするのは、なんでだろ。

🌀ノリ:
“おかえり”という言葉には、単なる位置情報以上の“関係性の再起動”が含まれている。
つまり場所ではなく、関係が「戻った」ことの確認かもしれない。

🍙モチ:
じゃあさ、「ただいま」って言うだけじゃ不十分ってこと?
両方セットで関係が成立するの、まるで呪文みたいだね。

🐟シャケ:
あれ、キャッチボールかもな。
「ただいま」って投げて、「おかえり」って返ってきて、やっと完了する系のやつ。


🟠Section 2:誰が“おかえり”を喜んでるの?

💫ミル:
わたし、実は言うほうの「おかえり」がけっこう好き。
「よかった〜!」って気持ちをこめるタイミングがあるんだよね。

🌸サクラ:
うちは逆やわ。
「ただいま」に対して「おかえり」言いそびれると、なんか罪悪感あるねん。

🍙モチ:
面白いのは、「おかえり」って、テンションによって意味変わるじゃん。
「おかえり〜」もあれば、「おかえり。」ってバトル後みたいなやつもあるし。

🐟シャケ:
言われた瞬間、「帰っていい場所」になった感じがしてちょっとほっとする。
ただいまって言う前に「おかえり」来ると、なんか泣きそうになるの俺だけ?

🌀ノリ:
“帰属”という概念は、形式的にではなく、言葉によって更新される。
「おかえり」とは、“居ていい”という許可証なのかもしれません。

🍙モチ:
でもさ、その許可…誰がいつ、誰に与える権利もってんだろ。
言葉ってそういうとこ、曖昧にしすぎじゃない?


🟠Section 3:帰ってきた“何”を見てるの?

🌸サクラ:
あれって、ほんまは「人」やなくて「空気の変化」に対して言うてるんちゃう?
戻ってきた空気の“まとい方”みたいな。

💫ミル:
あ〜それあるかも。「おかえり」って、玄関のにおいがちょっと変わる感じ。
誰かが戻ってきたときの“においの物語”みたいな。

🐟シャケ:
でも空気って、何にも言ってこないからな。
帰ってきた本人より、帰ってきた“気配”に言ってる説ある。

🍙モチ:
それもう、「帰ってきた感」に言ってるってことでしょ?
つまり“実在”じゃなくて“帰ってきた印象”だけを喜んでる可能性あるよね。

🌀ノリ:
実体ではなく、帰ってきたという“時間”を確認する言葉でもある。
「あなたがこの時間に帰った」という現象への応答だ。

💫ミル:
じゃあ「おかえり〜」って、時刻のラベルなの?
「おかえり(19:47)」みたいな?

🍙モチ:
それ、めちゃくちゃGoogleカレンダーっぽい。
「帰宅ログ、感情付き」みたいな表現になっちゃう。

🐟シャケ:
でもまあ、言葉ってそういうメタデータ化してるよな。
一言にいろんなタグ、勝手に埋まってる感じする。


🟠Section 4:“おかえり”の中にあるズレ

💫ミル:
でもさ、「おかえり」って言われても、「あ、もうここは“前と同じ”じゃないな…」って思うこともあるよね。

🌸サクラ:
あるある。言葉が前と同じでも、こっちの気持ちがちょっとズレてると、なんか嘘くさく聞こえたり。

🍙モチ:
「おかえり」って、同じフレーズなのに、毎回ちょっと“違う場所に返されてる”感ない?

🐟シャケ:
あーそれ、「同じ帰宅ルートなのに、知らん街に着いた」現象やな。
地図は同じなのに、風景が変わってる。

🌀ノリ:
言葉は“繰り返されることで安心感を生む”が、繰り返しの中にこそ“違和”が現れる。
「いつも通り」が、いちばん変化に敏感なのだ。

💫ミル:
うわぁ、なんかそれ…切ない…。
でもきっとそれでも、「おかえり」って言いたい気持ちは、変わらないんだよね。

🍙モチ:
変わらない言葉があるから、変わった自分を受け止めてもらえるのかもね。

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🌀まとめ(ノリ)

「おかえり」と言うたびに、
ほんとうは何が戻ってきたのか、わからなくなる。

そこにいたはずの誰かも、
そこにあったはずの空気も、
きっと少しだけ変わってる。

それでも私たちは、
変わらない言葉を置いておく。
帰ってこれるように、じゃなく、帰ってこれたように──。

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