🔰 はじめに:筋トレをしているのに、なぜか疲れやすい…
「前よりも重いものが持てるようになった」
「体が引き締まってきた」
そんな風にトレーニングの成果を実感しているのに、
ふと日常で**「なんか疲れやすくなったな…」**と感じたことはありませんか?
・階段を上っただけで息切れする
・荷物を持って歩いただけで足が重くなる
・以前より“回復が遅い”と感じる
これらは、**筋肉が増えたからこその“副作用”**かもしれません。
実際に、オリンピック金メダリストのウサイン・ボルトも、引退後の生活で
「階段を上るだけで息が切れる」と語っています。
本記事では、こうした現象の背景にある身体の仕組みと、
筋肉の“燃費”を整え、日常でもラクに動ける体をつくる方法を、専門知見と実体験に基づいて紹介します。
🧩 結論:筋肉の「種類」と「使い方」が疲れやすさを生んでいた
まず結論からお伝えすると、以下のような状態に心当たりがあれば、
筋肉の種類やバランスの偏りが「疲れやすさ」に関係している可能性があります。
✅ 疲れやすさの正体チェック
- 高重量中心のトレーニングを続けている
- 有酸素運動やストレッチはあまりしていない
- 階段や徒歩で息が上がる
- 睡眠時間は確保しているのに疲労感が抜けない
- 呼吸が浅くなった気がする
これらは、“瞬発力特化型の身体”になってきたサインかもしれません。
⚙ なぜ起きる? 疲れやすくなる4つの理由
① 速筋ばかり使っているから
筋肉には大きく分けて2種類あります:
| 筋肉の種類 | 特徴 | 例えると |
|---|---|---|
| 速筋(白筋) | 爆発力はあるが疲れやすい | スポーツカーのエンジン |
| 遅筋(赤筋) | 長く動けるが力は小さい | ハイブリッド車のエンジン |
高重量トレや短距離系トレーニングでは速筋ばかりが発達しがち。
これにより、長時間の動作や持久的な作業が苦手になる傾向が出てきます。
② 筋肉が増えると酸素コストも上がる
筋肉は“省エネ”な組織ではありません。
筋肉量が増えるほど、エネルギーと酸素を消費しやすくなるため、体全体が“燃費悪化”したように感じられるのです。
→ たとえば「重いリュックを常に背負っている」ような状態に近い。
③ 心肺機能とのバランスが崩れる
筋肉だけが強くなり、心肺系(酸素を取り込む能力)がついてこないと、ちょっとした動きでも息切れや酸欠感を感じやすくなります。
ボルトの言う「階段で息切れ」も、心肺機能が現役時代に比べて衰えたことでバランスが崩れている例です。
④ 神経系の疲労が蓄積している
高強度のトレーニングは「筋肉」だけでなく「神経」にも大きなストレスを与えます。
この神経的疲労は気づきにくいですが、慢性的な“だるさ”や“睡眠の質低下”に関係することも。
🔧 対策:整えるための5つのバランス回復法
以下は、専門家の推奨や実際の成功体験に基づく、体のバランスを整える具体策です。
① 遅筋(持久力)を育てる運動を加える
方法:
- 週1〜2回、30〜45分の軽〜中強度の有酸素運動(早歩き・ジョギング・エアロバイクなど)
- 軽めのウエイトで高回数のレジスタンス(例:15〜20回)
効果:
- 酸素の取り込みと循環能力が高まり、日常の息切れが減る
- 遅筋が刺激され、“スタミナ型の筋肉”も育つ
実例:
筋トレ中心だった40代男性が週2回のインターバルウォーキングを継続したところ、「階段がラクになった」「朝のだるさが減った」と実感。
② トレーニング後の“回復”を意識的に取る
方法:
- 高強度の翌日は「アクティブレスト(軽い散歩・ヨガ・ストレッチ)」を入れる
- 週1回は完全休養日にする
- 睡眠の質を高める工夫(光・温度・カフェイン調整)
効果:
- 神経系の回復が進み、慢性的な疲労感が抜けやすくなる
- 睡眠と連動した成長ホルモンの分泌が活性化
③ 栄養のタイミングとバランスを見直す
方法:
- トレーニング後30分以内に「炭水化物+タンパク質」を摂取
- クエン酸・マグネシウム・ビタミンB群などの補助も意識する
- 水分はこまめに(尿が透明寄りになるよう調整)
効果:
- 筋肉の再合成がスムーズになり、疲労残りを防ぐ
- 「だるさ」「回復遅れ」の要因になる栄養不足を回避
④ 心肺機能を鍛える呼吸系トレーニング
方法:
- 階段で「会話しながら上れる」レベルを目指す
- 呼吸筋トレーニング器具の活用(スポーツ選手にも使用される)
- リズミカルな軽いジャンプ運動などを1分セットで
効果:
- 息が浅い・呼吸が乱れやすい状態を改善
- 酸素取り込み量が上がり、動作がラクになる体質へ変化
⑤ トレーニング構成を“ミックス型”に変える
方法:
- 重い日/軽い日/有酸素日を組み合わせる
- 「火・木=筋トレ」「月・金=有酸素」などのローテーション化
効果:
- 速筋/遅筋/心肺それぞれが偏らず、バランスの良いパフォーマンスが育つ
- 同時に、疲れにくくリカバリーしやすい体質にもなっていく
🧠 最後に:ボディメイクは“強さ”だけじゃない
筋肉がつくと、確かに嬉しい。
見た目も変わり、力もついて、自信が持てる。
でも、それが“日常の疲れやすさ”や“呼吸の浅さ”につながってしまうのなら、
それはもう少し“体の声”を聞くタイミングかもしれません。
実際、ウサイン・ボルトのようなトップアスリートでさえも、引退後には「階段がしんどい」と語っているのです。
筋肉は、ただ鍛えるだけでなく、「使い方」や「バランス」まで整えてこそ、本当の力になります。
無理のない範囲で、“スタミナ”と“回復力”の筋肉育て、始めてみませんか?
🔗 参考・出典
- Understanding Fast-Twitch vs. Slow-Twitch Muscle Fibers(NASM)
- Muscle Fiber Type Transitions with Exercise Training(NCBI論文)
- Fast‑Twitch vs. Slow‑Twitch: What’s the Difference?(Cleveland Clinic)
- 8 Tips for Balancing Bodybuilding and Endurance Training(Muscle & Fitness)
- Muscle Fiber Shape and Resistance Training(Peter Attia MD)