▷この記事で伝えること
- 「レンタル怖い人」として活躍できそうな実例を、実在する日本のサービスから紹介
- 専門メディアや現場発信者による情報に基づいた、リアルな活用ケース
- どんな背景で使われているか、その構造と心理
- 後編では:考察と注意点、サービス設計上のヒントを深掘り
こんなサービス、実際にあったんです。
「怖い人、貸します」。
そんなキャッチコピーが本当に使われていたら、冗談のように見えるかもしれません。
でも、実際に日本には「レンタル怖い人」につながるようなサービスが、すでにいくつか存在しているんです。
「彼氏と別れたいけど、怖くて一人じゃ無理」
「SNSで叩かれてるから、味方がほしい」
「客に舐められないために、隣にいてくれる威圧感が必要」
直接“怖がらせる”というより、“怖そうに見えることで守られる”――
そんな需要が、じわじわと浮上しているのが今の日本です。
【事例1】「おっさんレンタル」で“強面”を依頼する人たち
● サービス概要(西本貴信さんによる創設)
- 「1時間1000円で、何でも聞いてくれるおっさんをレンタルできる」
- 利用者層は20~30代女性が中心。年間1000件以上の依頼
- 内容は「愚痴を聞いてほしい」「話し相手になってほしい」から、「父親代役」「一緒に病院に来てほしい」など幅広い
● 怖い人の代役としての利用も?
公式には「怖いおっさん」役を名乗っているわけではありませんが、週刊文春の取材記事などによると、以下のような“強面活用”の事例も報告されています。
- 結婚を反対される親への説得用に“貫禄ある彼氏”として登場
- DV加害者と別れるための“同席人”として依頼
- 不倫相手との話し合いに“いかつめな見た目の代理人”として同席希望
「彼氏が暴力的で、別れ話に付き合ってほしい。怖く見える感じの方がいいです」
(依頼者からの要望)
実際にそうした依頼にも応じてきた背景には、「威圧=攻撃」ではなく「守り」としての怖さが求められている側面があります。
【事例2】「レンタルコワイ人」という、あからさまな名称のサービス
● X(旧Twitter)での活動報告
2023年6月頃から確認された「レンタルコワイ人」というアカウント。
投稿によれば、男女1名ずつの“コワイ系キャラ”が在籍しており、個人対応や現場派遣にも応じているようです。
- 登録名は「レン子」と「レン太郎」
- 怖い人を探している企業・店舗・個人からの依頼受付
- 投稿のトーンもあえてコミカルに「レンタル怖い人だって、需要あるでしょ?」と呼びかけ
● 実際の使用想定
- 撮影時の「ヤバそうな背景要員」
- SNSの話題作り(インパクト投稿)
- 話し合いの“第三者同席”用の演出
- イベント会場での人流コントロール
明確に「怖い人を派遣します」と名乗っている点で、他のサービスよりも踏み込んだ内容ですが、具体的な企業案件などの詳細までは確認されていません。
【事例3】「叱責代行」や「怒られ屋」という派生ジャンル
- 「ダイコーの庭」という代行系サービスでは、希望者の代わりに“怒ってくれる人”をレンタルできます。
- 利用例:
- 社員を厳しく叱ってほしい
- 自分の悪習をやめるために「毎週怒ってほしい」
- 婚約者の浮気を責める役
「怒る」=怖い、ではありませんが、“言葉や存在で緊張を与える”という意味では構造が近く、ここから“演出される怖さ”の価値が見えてきます。
【事例4】「レンタルなんもしない人」にも似た利用法が…
レンタルなんもしない人の活動記録の中には、こんな一節が登場します。
「話し合いの場に第三者として来てほしい。会話には加わらなくていいが、黙ってそこにいてほしい」
もしそれが“無言で怖い人”だったら?
立ち位置が違うだけで、「存在が怖さになる」という設計は共通です。
怖い=悪ではなく、怖い=安心?
「怖い人を借りる」──一見すると危ない発想に思えますが、事例を見ていくと、その目的の多くは防御・安心・演出です。
- 話し合いで舐められないように
- 誰かから自分を守ってもらうために
- 自分の代わりに“感情”を演じてもらうために
ここで重要なのは、借り手が「暴力を振るってほしい」と思っているわけではない点です。
“怖そうに見えて、実は何もしない”という前提があってこそ成立していることがわかります。
成立するための3つの条件
以下のような条件が揃ったとき、「怖い人レンタル」は社会的にも許容されやすい構造になります。
①「外見」だけ怖いが、中身は安全
- 実際に攻撃したり、脅迫的な言動をすることはなく
- 見た目・存在感だけで場の空気を変える
- 芝居ができることも強み
この“演出のプロフェッショナル”であることが前提です。
② 「依頼者の安全と心理的支え」が目的
- DVから逃れるために“怖い彼氏役”を依頼
- 家族に言えないことを、代理で代弁してもらう
- イベントで視線を集めるインパクト演出
これらは全て、「依頼者を守るための怖さ」であることがわかります。
③ 周囲への誤解を防ぐ透明性
- 依頼者・周囲の人が「演出である」と理解している
- 法的トラブルを避けるガイドラインがある
- SNS発信などで“面白さ”を強調できるトーンがある
たとえば「レンタルコワイ人」のように、名前自体がコミカルであれば、誤解も減ります。
考察:なぜ人は“怖さ”をレンタルしたくなるのか?
● 自分にない“力”を借りたいから
たとえば──
- 気弱な人が、強い雰囲気を“身にまとう”ために
- 一人では怖い場面に、存在だけで威圧感を生んでくれるパートナーとして
こうした利用動機は、「レンタル彼氏」や「レンタル親」などと同じ構造で、“役割を借りる”という行為そのものなのです。
● “自分を守る”演出としての怖さ
現代では、「やさしさ」や「共感」が美徳とされますが、一方で「強くあらねば守れない場面」もあります。
しかし、自分が強くなるのは難しい。
だからこそ、「怖そうな人」がとなりにいてくれるだけで、不安がやわらぐのです。
これは「怒りたい」「威圧したい」というより、
**“安心するための怖さ”**というパラドックスです。
注意点:成立するには“距離感の調整”が必要
- 本当に怖すぎると依頼者自身が萎縮する
- 相手や周囲を“威嚇”と捉えた場合、通報される恐れも
- 借りる側が感情を委ねすぎると、心理的依存にもなりかねない
これらの理由から、サービス提供者には「演技力」「対人感覚」「柔軟な対応力」が必須です。
また、倫理ガイドラインや同意書などの運用も、今後の普及には欠かせないでしょう。
🎯まとめ:「レンタル怖い人」は、じつは“やさしいサービス”かもしれない
- 見た目や存在感で「場を整える」「心を守る」ためのレンタル
- 実在サービス(おっさんレンタル、レンタルコワイ人、叱責代行など)を通して類似機能はすでに動いている
- 成立するには「安全・演出・共通認識」の三拍子が揃うことが重要
- 根底には「一人で立つのが怖い」という人の繊細さと、それを支える仕組みの必要性がある
🔗 出典・参考: